記帳義務について


会計帳簿は何のために作るのでしょうか?

税務署に提出するために作るんでしょ」と聞こえてきそうですが、そうではありません!会計帳簿を正しく記帳することにより「損益計算書」と「貸借対照表」(バランスシートとも言います)が作成されますが、この2つの計算書類は企業の「経営成績」と「財政状態」を表すものです。人間の体にたとえると健康状態のカルテのようなものです。
もう少し簡単に言うと、損益計算書は、通常1年間の企業の利益(もうけ)を計算します。貸借対照表は、会計期末の資産(現預金等)や負債(借入金等)の 状態を明らかにします。
経営者や会計担当者は上記の計算書類を見て、以下のような経営分析を行ったり事業計画を策定します。

①新規企画の成功により今期の売上は前期に比べて1.2倍となった。
②売上は昨年と同様であったが経費削減の結果、利益は約2倍となった。
③資金に余裕ができたので銀行借入の繰上返済を行うこととした。
④今期は利益が増加し、資金繰りの状態も良いので決算前に店舗及び事務所の修繕をすることとした。

等々このように2つの計算書類があれば様々な経営分析を行うことができますが、逆にこの書類が無ければ、多岐にわたる分析ができないということです。
つまり、人間の体にたとえると健康状態が全くわからないということです。
税務署に提出するのは、「正しい会計書類に基づいて計算した税額」の資料を提出しているにすぎません。
最初から税額を考慮して赤字の決算書を何年も続けている企業がありますが、その企業は最後に必ず消滅する運命にあります。
正しい会計帳簿の作成は、企業の健康状態を経営者が把握するために必要不可欠な資料です。

 

 

 

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